千葉に越してきて
                1年目の記念日。
                いつも通る海沿いの道を
                自転車で、家路を急ぐ。
                
                サプライズの花束は
                彼女のためでもあり
                僕のためでもあり
                
                住み慣れて心地よい我が家のためでもある。
                
                潮風が心地よく
                僕の肩を通り抜けて
                高鳴る胸に気が付きながら
                気にしないふりをして。
            
            
     
    
            
            
                家に戻ると
                テラスで食事をとることになった
                
                「特別な日」ということを
                共有できることの幸せ。
                
                大切な人との思い出を
                こうしてひとつひとつ
                ゆっくりと
                紡いでいける愛おしさを
                めいいっぱいに感じて。
                
                
                彼女は趣味のカメラで
                今日の一日をまた切り取っていた
                
                僕は「また撮ってるのかよ」なんて呟きながら
                愛おしくそれを見つめる
                
                彼女にとっても
                一年が経っても
                ここでの毎日は新鮮なまま
                大切なものなのかな、なんて
                考えたりした。